34 アンネのバラ
アンネ・フランクと「アンネの日記」
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクは,1929年にドイツに生まれた。4歳までフランクフルトで育ったが,ナチスのユダヤ人迫害が激しさを増すと,一家はオランダに移住した。
12歳のアンネ・フランク。
〈写真提供/ゲッティイメージズ〉
1940年,ナチスドイツがオランダを占領。アンネの身に,迫害の危機が再び迫る。
そんな中,13歳の誕生日に,アンネは父親からサイン帳を贈られる。隠れ家生活の中で,彼女は,このサイン帳に2年間にわたり,日記を書きつづった。これは,作家志望であったアンネが,架空の友達キティーに宛てる設定で書いたものである。
アンネの書いた日記。
〈写真提供/ゲッティイメージズ〉
1944年8月,ついにアンネはナチスに連行され,15歳で強制収容所で病死する。
アンネが書いた日記は,父親オットーの尽力で,1947年に「アンネの日記」として出版され,以後,全世界で翻訳され,今もなお読みつがれている。