25 『落葉』― 菱田春草
岡倉天心・横山大観
菱田春草の人生の中で,師である岡倉天心,友である横山大観の存在は大きなものであった。
岡倉天心(1863-1913)
美術史家・思想家。横浜生まれ。東京大学卒業後,文部省に入り,日本美術を研究するアーネスト・フェノロサの通訳や助手を務める。その後,東京美術学校(現・東京藝術大学)の創設に参加し,校長として,菱田春草,横山大観,下村観山などを育てる。
1904年から,アメリカのボストン美術館に勤務。日本や東洋美術の美学を西欧世界に紹介した。著書に「東洋の理想」「茶の本」がある。
〈写真提供/アフロ〉
横山大観(1868-1958)
日本画家。茨城県水戸生まれ。東京美術学校(現・東京藝術大学)で岡倉天心らに学ぶ。その後,日本美術院の創設に参加。近代日本画に大きな影響力をもった。菱田春草とは,若き日に,ともに無線描法を試み,1903年以降インド,アメリカ,ヨーロッパも同道。合作も行い,深い交流があった。
横山大観『雨霽(は)る』1940年
〈写真提供/アフロ〉