美術史ワード
アールヌーヴォー
フランス語で新芸術の意。1890年から1905年にかけてフランスやベルギーを中心に興り,ヨーロッパ全土やアメリカにも波及した美術運動。装飾芸術において,国際的,近代的な様式を確立することを目ざした。植物モチーフを取り入れた曲線的な装飾が特徴で,主に建築やグラフィックデザイン,工芸に取り入れられた。ポスターを手がけたミュシャ,パリの地下鉄入り口を設計した建築家ギマールらが代表的な作家である。
この様式は1900年のパリ万国博覧会などをきっかけとして,ヨーロッパ各地やアメリカでも流行した。ドイツではユーゲントシュティール,イギリスではモダンスタイル,スペインではモデルニスモとよばれ独自の発展を見せた。明治の終わりから大正にかけての日本にも輸入され,新しい風潮を生んだ。
【関連する主な作家】
エミール・ガレ(フランス)
エクトール・ギマール(フランス)
アルフォンス・ミュシャ(チェコ)
ルネ・ラリック(フランス)