美術史ワード

コンセプチュアルアート

 日本語では概念芸術と訳される。作品の物質的な価値よりも,作品制作の根底をなす芸術の概念や思想を重視する。絵画や彫刻だけではなく,図表,文字,写真,パフォーマンス,インスタレーションなど,さまざまな表現を駆使し,「芸術とはなにか」を問いただす。その萌芽は,マルセル・デュシャンが第一次世界大戦前に発表した,既製品を使って制作した作品群にも見られるが,固有の美術形態として認められ世界に広まったのは1960年代以降であった。
 パフォーマンスを通じて人間の自然との関係に対する見解を発表するボイス,その日の日付をその日のうちに描く「デイト・ペインティング」の河原温などが知られる。


【関連する主な作家】
マルセル・デュシャン(フランス)
ヨーゼフ・ボイス(ドイツ)
ジョセフ・コスース(アメリカ)
河原温(日本)

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