美術史ワード

フォーヴィスム

 20世紀初頭,フランスで興った絵画運動で,野獣派と訳されている。世紀末美術の暗さを打ち破るほどの凶暴性をもった色彩への情熱が特徴。1905年にパリで開催された展覧会に出品された一群の作品の,原色を多用した強烈な色彩と奔放なタッチを見た批評家が「野獣(フォーヴ)の檻」と評したことからその名がつけられた。
 マティス,デュフィなどの画家がこの派に属した。彼らの関心は,自然を再現する役割から色彩を解放することに向けられており,主観的な感覚を表現するため,理論から離れてより自由に色彩を使おうとした。


【関連する主な作家】
アンリ・マティス(フランス)
モーリス・ド・ヴラマンク(フランス)
ラウル・デュフィ(フランス)
アンドレ・ドラン(フランス)