抽象表現主義
第二次世界大戦後のアメリカで広がった抽象絵画表現。ヨーロッパ発ではない、最初のアメリカ独自の美術とされる。同時期のヨーロッパ、特にフランスでも「アンフォルメル」とよばれる同様の運動が生まれた。
それまでの幾何学的な抽象絵画に対して、大きなキャンヴァスに大胆な筆づかいで自己の内面や精神性を表現したことが特徴。キャンヴァスを床に置き、絵の具を滴らせる「ドリッピング」の技法を生みだしたジャクソン・ポロックや、筆を叩きつけるような激しい動きで人物を描いたウィレム・デ・クーニングらが代表的な作家。彼らの描き方は激しく、描く行為そのものをキャンヴァスに表現していたため、当時の批評家から「アクションペインティング」と名づけられた。