32 異なり記念日

聴覚の障害について知ろう

聴覚ちょうかくの障害は、全く聞こえない、わずかに聞こえる、特定の条件下で聞き取りづらくなるなど、程度や状態が人によって異なる。また、それらの障害は、見た目からはわかりづらく、周囲に気づかれにくい。どんな配慮はいりょふうをすれば、ちょうかくに障害がある人も暮らしやすい社会になるだろう。まずは、聴覚ちょうかくの障害について知るところから始めよう。

さまざまなコミュニケーション手段

ちょうかくに障害のある人は、それぞれの「聞こえ」の状態や、場面、相手に応じて、次のようなコミュニケーション手段を用いている。

■手話

手指の動きや形、表情などを組み合わせて表現し、意思や情報を伝え合う。視覚を活用した言語であり、ろう者にとっての、母語といわれる。

手話
「ありがとう」の手話
左手のこうに右手を垂直に置き、右手をそのまま自分の顔の方に上げる。

こう

ちょう器などで、残っているちょうりょくを補い、あわせて、話をしている人の口の形も見て、相手の言っていることを理解し、自身の発音器官を使って発語する方法。

■指文字

「あ・い・う・え・お」などの五十音や数字、アルファベットなどを、手で形作って表すコミュニケーション手段。

指文字
(左)指文字の「あ」、(右)指文字の「い」。

〈写真3点:イメージマート〉

■筆談など

筆談は、紙などに文字や文章などをそうに書いて伝え合うコミュニケーション手段。現在では、音声を文字化したり、文字を音声化したりするアプリケーションが開発されている。

ちょうかくに障害がある人とのコミュニケーションをえんするアプリケーション

タブレット
音声にんしきで、話した内容を文字にしてくれる機能(上段)や、画面に直接書きむことができる筆談機能(下段)を備えている。

〈開発元:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、提供元:株式会社フィート〉

ちょうかくに障害がある人の困りごとについて知ろう

ちょうかくに障害がある人は、日常生活の次のような場面で、困ったり、不安を感じたりしている。もしも、周りで困っている様子を見かけたら、どうすればよいか、考えてみよう。