3 アイヌの歌を歌いたい

アイヌ文化について知ろう

アイヌ民族

アイヌ民族は、北海道やしま(クリル)列島、樺太からふと(サハリン)などに居住していた先住民族。クマやオオカミ、太陽や月のような、動植物や自然などあらゆるものをカムイ(神)としておそれ敬い、独自の文化や習慣をもっていた。

衣服

昔のアイヌの人々は、動物の毛皮、鳥の羽が付いた皮、木や草のせんなどを使って衣服を作っていた。こうした衣服には、アイヌ模様がしゅうされた。アイヌ模様には、美しくかざるというだけでなく、病気などを防ぐという、よけの意味もあった。

アットウシ
アットゥㇱ
木の皮のせんから作る衣服。主にだん着として着用されていた。

アイヌの人々は、魚をったり、水をくんだりするのに便利な水辺に、チセ(家)を建ててコタン(村)を作った。コタンでは、村長を中心とした暮らしが営まれていた。

チセ
チセ
くぎを使わず、木や草など自然の中にあるものだけで造られた。

食事

アイヌの人々は、四季折々の野生植物や動物、ぎょかい類を食べていた。主食には、山菜や動物の肉、魚を入れてんだしるもののオハウを食べることが多かった。現在でもれいのときには、チェㇷ゚オハウなどの伝統料理が食べられている。

チェプオハウ
チェㇷ゚オハウ
「チェㇷ゚」はサケ、「オハウ」はしるのこと。

おど

アイヌの人々は、しきのときや、親しい人たちが集まったとき、仕事をしているときなどに歌い、おどった。カムイ(神)にささげるおどりや、身近な動物の動きをまねたおどり、ものをはらうためのおどりなど、さまざまなものがあった。

カムイリムセ
カムイリㇺセ
キムンカムイ(ヒグマ)のたましいを送るしきで行うおどり。

〈写真:アットゥㇱ・チェㇷ゚オハウ・カムイリㇺセ/公益財団法人 アイヌ民族文化財団、チセ/アフロ〉