アイヌ民族
アイヌ民族は、北海道や千島(クリル)列島、樺太(サハリン)などに居住していた先住民族。クマやオオカミ、太陽や月のような、動植物や自然などあらゆるものをカムイ(神)として畏れ敬い、独自の文化や習慣をもっていた。
衣服
昔のアイヌの人々は、動物の毛皮、鳥の羽が付いた皮、木や草の繊維などを使って衣服を作っていた。こうした衣服には、アイヌ模様が刺しゅうされた。アイヌ模様には、美しく飾るというだけでなく、病気などを防ぐという、魔よけの意味もあった。
家
アイヌの人々は、魚を捕ったり、水をくんだりするのに便利な水辺に、チセ(家)を建ててコタン(村)を作った。コタンでは、村長を中心とした暮らしが営まれていた。
食事
アイヌの人々は、四季折々の野生植物や動物、魚介類を食べていた。主食には、山菜や動物の肉、魚を入れて煮込んだ汁物のオハウを食べることが多かった。現在でも儀礼のときには、チェㇷ゚オハウなどの伝統料理が食べられている。
踊り
アイヌの人々は、儀式のときや、親しい人たちが集まったとき、仕事をしているときなどに歌い、踊った。カムイ(神)にささげる踊りや、身近な動物の動きをまねた踊り、魔物をはらうための踊りなど、さまざまなものがあった。
〈写真:アットゥㇱ・チェㇷ゚オハウ・カムイリㇺセ/公益財団法人 アイヌ民族文化財団、チセ/アフロ〉