私たちの生活に欠かせないものとなっているインターネットには、さまざまな特性があるといわれています。ここでは、その中の幾つかを紹介します。
インターネット上では、メールやチャットのような文字情報のやり取りを通して、目の前に相手の姿が見えなくてもコミュニケーションを取ることができます。実社会において対面でコミュニケーションを取るときには、表情や声色などで伝わっているニュアンスが、文字情報だけのやり取りでは伝わりにくくなります。それが原因で生まれるトラブルもあることを、意識しておきましょう。
インターネット上に発信された情報は、基本的に世界中の誰もが見られるものです。友達どうしのやり取りのつもりで、公開のサービスに不適切な写真や情報を掲載して起こるトラブルが頻発しています。一度インターネット上にアップされた情報は、公開される可能性があるという感覚をもつと同時に、情報を発信するときは著作権・肖像権を守るという意識ももつことが必要です。
インターネット上に発信した情報、特に、話題性のある情報や、ハッシュタグ(言葉の最初に#を付けて発信されるキーワードで、検索に使われる)を付けて意図的に拡散するようにしている情報は、またたく間に広がることがあります。情報を発信した本人が意図していなくても、その情報を得た第三者によって、さらに多くの人に広がることもあります。どんな情報を発信するか、よく考える必要があります。
一度発信した情報は取り消せないことが多く、必ずどこかに記録が残ります。自ら名前を明かしていなくても、誰が発信した情報かを記録する仕組みがあります。インターネット上に誰がいつ何を発信したかを調べることは、皆さんが考える以上に容易です。進学や就職等、自分の将来を決める重要な場面で、過去にどんなことを発信してきた人物なのかを遡って調べられる可能性があることを、忘れないようにしましょう。
インターネット上では誰もが情報を発信できるので、信用できない情報も多く、情報を取得する際には、その情報が正しいかどうかを必ず確かめる必要があります。コミュニケーションを取る相手をしっかり確認すること、セキュリティの意味から、信頼できるサイトであることを必ず確かめるようにしましょう。
インターネット上には、接続しただけで自分のコンピュータに侵入されたり、情報を取り出されたりするような危険な仕組みが存在します。信用できないサイトには接続しないようにしましょう。
これらの特性に目を向けると、身近なところで起きがちなインターネットのトラブルの原因が見えてきます。インターネットをよりよく使うにはどうすればいいか、これからも考えていきましょう。
〈イラスト:まつだ こうた〉