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「日本国憲法 前文」を読んでみよう

1946年(昭和21年)に公布された、「日本国憲法」は、国の在り方を定めた基本的なルールで、前文および、11章103条から成ります。前文には、「基本的人権の尊重」「国民主権」「平和主義」の三原則がはっきりと示されています。

日本国憲法

前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつ(ワタッ)て自由のもたらす恵沢けいたくを確保し、政府のこうよつ(ヨッ)て再び戦争のさんおこることのないやう(ヨウ)にすることを決意し、ここに主権が国民にそんすることを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民のげんしゅく信託しんたくによるものであつ(アッ)て、そのけんは国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれをきょうじゅする。これは人類へんの原理であり、この憲法は、かかる原理にもとづくものである。われらは、これに反する一切いっさいの憲法、法令およしょうちょく排除はいじょする。

日本国民は、こうきゅうの平和を念願し、人間そうの関係を支配する崇高すうこうな理想を深く自覚するのであつ(アッ)て、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼しんらいして、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和をし、専制れいじゅう圧迫あっぱくへんきょうを地上から永遠に除去しようと努めて(イ)る国際社会において、めいある地位をめたいと思(ウ)。われらは、全世界の国民が、ひとしくきょう欠乏けつぼうからまぬかれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認かくにんする。

われらは、い(ズ)れの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつ(アッ)て、政治道徳の法則は、へん的なものであり、この法則に従(ウ)ことは、自国の主権をし、他国と対等関係に立たう(トウ)とする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家のめいにかけ、全力をあげてこの崇高すうこうな理想と目的を達成することをちか(ウ)

けいたく
めぐみを受けること。また、そのめぐみ。
しょうちょく
天皇の意思を表示する文書のそうしょう
*専制…
上に立つ人が独断で思うままに物事を処理すること。
れいじゅう
付き従うこと。言いなりになること。
あっぱく
武力や権力などで相手をおさえつけて、自由にさせないこと。
へんきょう
自分だけのせまい考えにとらわれること。

〈イラスト:いとう瞳〉