人の姿を捉える

美術史用語「未来派」

未来派

20世紀初頭のイタリアで興った前衛的な芸術運動。1909年の詩人マリネッティの「未来派宣言」に端を発する。「疾走する馬の脚は4本ではなく20本である」という言葉に見られるように、画家たちは動体連続写真に触発されてスピード感の表現を追究し、目に見えないエネルギーを主題とした。また未来派は、マニフェストの発表や講演会の開催、観客を挑発するようなパフォーマンスを次々と展開し、グループの運動を広めた。まず理念を宣言し、自ら新しいグループ名を名乗るという運動のスタイルや、伝統的文化に異を唱えたという点においても、未来派がダダ以降の前衛芸術運動に与えた影響は大きい。ロシア構成主義や日本の大正前衛芸術にも未来派の影響がおよんでいる。

【関連する主な作家】
ジャコモ・バッラ(イタリア)
ウンベルト・ボッチョーニ(イタリア)

【関連する美術史用語】
キュビスム