22 日本のお米

稲のさまざまな利用法

稲などの茎を乾かしたものを,「わら」という。
稲作の盛んな日本では,米粒を食べるだけでなく,生活のさまざまな場面で稲を活用してきた。

わら屋根・かやぶき屋根

日本の家造りでは,屋根にわらや,かや(ススキ)が用いられていた。世界遺産の「白川郷・五箇山の合掌造り集落」(1995年登録)は,かやぶき屋根で,てのひらを合わせた形に似ているため「合掌造り」と呼ばれる。

白川郷の合掌造り集落。(岐阜県)
〈写真提供/アフロ〉

わらじ・わら草履

わらじは長距離を歩くための履き物。似た形のわら草履は,かかとを固定するひもがなく,長距離の歩行には適さない。

わらじ
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みの

わらを編んで作った雨具。衣服の上から着用して雨雪をしのぐ。

みのを身につけて雪下ろしをする人。
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むしろ

わらやイグサなどの草で編んだ敷物。「こも」とも呼ばれる。現在でも,樹木を害虫から保護する「こも巻き」や,食物を天日干しする際の敷物などに使われる。

囲炉裏の周囲の敷物がむしろ。(岐阜県 野外博物館 合掌造り民家園)
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こも巻き
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