9 サグラダ・ファミリア ― 受け継がれていく思い

サグラダ・ファミリアについて

バルセロナの街とサグラダ・ファミリア(中央)。
〈写真提供/Cultura,アフロ〉

サグラダ・ファミリアは,スペイン第二の都市,バルセロナにある教会(聖堂)で,日本語では「聖家族贖罪(しょくざい)教会」などと訳される。バルセロナには,他にもガウディの手がけた建物が幾つもあり,世界中から多くの観光客が訪れる。

東側の「生誕のファサード」。
〈写真提供/アフロ〉

教会の東側正面は「生誕のファサード」とよばれ,キリスト生誕の様子などが彫刻されている。この部分は,建物の主要部分として,ガウディ存命中の1894年から30年をかけて造られた。この部分と,同じくガウディの生前に造られた地下礼拝堂が,他のガウディの建築物と共に,ユネスコの世界遺産に登録されている。

サグラダ・ファミリアの塔の部分。
〈写真提供/アフロ〉

大小の幾つもの塔も,サグラダ・ファミリアを特徴づけるもので,塔の表面や先端には,細かく,特徴的な装飾が施されている。

教会の内部。
〈写真提供/アフロ〉

教会の内部は,2010年に完成した。高い天井に向かって,ヤシの木をイメージさせる柱が伸び,窓には鮮やかなステンドグラスがはめられている。

着工からおよそ50年後の1929年の姿。
〈写真提供/ゲッティイメージズ〉

サグラダ・ファミリアは当初,完成までに300年ともいわれていたが,技術の進歩により,2026年の完成が宣言された。これは,ガウディ没後100年に当たる。