美術史ワード
アンフォルメル
第二次世界大戦後,1950年頃流行したヨーロッパの抽象美術の一動向。「不定形の芸術」の意。手の動きの痕跡をそのまま生かし絵の具を厚く塗りこめた,激しく叙情的で即興的な表現が特徴。戦前には,幾何学的で限定された色彩が特徴的な抽象表現が主流だったが,世界大戦という無秩序と混乱を経て,実存的な生の触感を追求しようとする抽象表現が現われた。パリを中心として展開したが,スペインのタピエスなど,フランス以外の出身の画家も多く活躍した。アメリカの抽象表現主義と呼応する。
【関連する主な作家】
ジャン・フォートリエ(フランス)
ジャン・デュビュッフェ(フランス)
ヴォルス(ドイツ)
アルベルト・ブッリ(イタリア)
アントニ・タピエス(スペイン)
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