美術史ワード

抽象表現主義

 1940年代から1950年代にかけて,アメリカで展開された一群の抽象芸術のこと。ヨーロッパ発ではない最初のアメリカ独自の美術とされる。大きなキャンヴァスを使って,自己の内面性や精神性を激しく表現したことが共通する特徴だが,抽象表現主義の中には抽象画を制作しない作家も含まれ,作家それぞれが独自の表現を追究していた。例としては,感情のおもむくままに絵の具をキャンヴァスに叩きつけ,描く行為そのものを含め作品とする「アクションペインティング」などが挙げられる。同時期のヨーロッパ,特にフランスでもアンフォルメルとよばれる類似の動向が現われた。


【関連する主な作家】
マーク・ロスコ(ロシア,アメリカ)
ウィレム・デ・クーニング(オランダ,アメリカ)
バーネット・ニューマン(アメリカ)
ジャクソン・ポロック(アメリカ)

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