美術史ワード
ロマン主義
1820年代から40年前後にかけて,ヨーロッパを中心に,哲学や文学,美術において展開された芸術運動。「ロマンス」がこの語の由来でありその名の通り,鑑賞する側の想像力をかきたてるような,夢や狂気,悲劇や崇高美の表現に特徴がある。ヨーロッパ中心的な新古典主義に対し,ロマン主義には様式や主題などに統一性は見られず,どの作品もロマン主義的価値観と,画家の個性や想像力との結合から誕生したといえる。
この時代には,ナポレオンの侵略を機に,普遍的な美術よりもその土地の風土や歴史に根ざした美術が求められるようになった。そのため,ロマン主義もフランス,スペイン,ドイツ,イギリス,アメリカなど各国で独自の方向に発展し,その後世紀末の象徴主義へ影響を与えることとなった。
【関連する主な作家】
フランシスコ・デ・ゴヤ(スペイン)
ウィリアム・ブレイク(イギリス)
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ(ドイツ)
ウジェーヌ・ドラクロワ(フランス)
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