美術史年表

美術史用語

ロマネスク

「(古代)ローマ風の」という意味。社会が安定し、多くの建築が造られた11世紀から12世紀にかけてのヨーロッパで広がった美術様式。石をトンネル状に積むことで天井を覆うことが可能となり、建物が大型化するとともに、石造の天井が柱や壁と連続することで、統一感のある内部空間が実現した。ただし天井の重みを支える壁は厚く、柱は太くつくられ、窓は小さく内部は薄暗い。簡素で秩序のある構造が特徴である。聖堂の内部はキリスト教の物語を主題にした壁画や石の彫刻で装飾されていたが、そこでは人体や動物の自然なプロポーションは無視され、建築構造に合わせて自由に変形されて表された。

イタリアの「ピサ大聖堂」やフランスの「クリュニー修道院」(現在は一部のみ残存)などが代表的な作品。

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ゴシック