美術史ワード
キュビスム
20世紀初頭に興った革新的な美術運動。作品のモチーフを一つの視点から見て描くのではなく,別々の角度と面を組み合わせて描いた。キュビスムの命名自体は1908年にブラックが描いた風景画が,マティスにより「キューブ(立方体)」と評されたことに起源をもつ。今日ではその前年にピカソが発表した「アヴィニョンの娘たち」が記念碑的な作品とされる。
キュビスムはルネサンス以来の写実的な絵画を支えていた一点透視図法,明暗法,人物の肉付けといった方法を覆し,近代に相次いだ美術の革新運動の中でも最大の影響力をもった。20世紀美術のあらゆる局面に,その効果が波及している。また,絵画のみならず建築やデザインの発展にも貢献した。
【関連する主な作家】
パブロ・ピカソ(スペイン)
ジョルジュ・ブラック(フランス)
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